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職場の熱中症対策

2025年06月01日

近年、職場における熱中症の死傷者数は増加傾向にあり、年間30人以上

が熱中症で死亡しています。その原因の多くは「初期症状の放置、対応の

遅れ」に見られることから、今般、労働安全衛生規則が改正されました。

具体的には、令和7年6月1日より、熱中症による健康障害の疑いがある

者の早期発見や重篤化を防ぐために必要な措置を講じることが罰則付き

で義務付けられることとなりました。

厚生労働省が熱中症による死亡事例100件を分析したところ、複数理

由があることを含め、初期症状の発見が遅れたものが78件、医療機関に

搬送しない等異常時の対応が遅れたものが41件見られます。このことか

ら、職場における熱中症を防止するためには、その症状のある人を早期

に発見し、重篤化を防ぐ措置を講じることが重要となります。具体的には、

①報告体制の整備、②実施手順の作成、①および②についての関係者への

周知を行うことが求められます。義務に違反した場合、行為者および法人

は刑事罰(6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金)が科されます。

報告体制の整備とは、あらかじめ、熱中症の恐れがある作業に従事する

者が熱中症の自覚症状を有する場合や、当該作業に従事する者に熱中症の

疑いがあることを他の者が発見した場合に、その旨報告することができる

ように体制を整備することが求められています。具体的には、報告する連

絡先(電話番号、メールアドレス等)や担当者を決める必要があります。

実施手順の作成とは、あらかじめ、作業場ごとに熱中症のおそれがある

作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察または処置を受け

させるなど熱中症の症状悪化を防止するために必要な措置の実施手順を作

成することが求められています。すなわち、熱中症のおそれがある者を把

握した場合に現場(作業場)において迅速かつ的確な判断ができるようの

応急措置の手順をあらかじめ定めておく必要です。

報告体制を整備し、実施手順を作成した場合、その内容を熱中症のおそ

れがある作業に従事する者に周知する必要があります。周知方法について

は、法令上口頭でも差支えありませんが、文章を配布する、メール等で送

信する、作業場や休憩場に掲示する、社内イントラネット等で共有するな

どして、熱中症の疑いが生じたときを含めいつでも関係者が閲覧できるよ

うに見える化して周知することが望ましいといえます。

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