ブログBLOG

Q&A
労務相談Q&A

2021.01.16

雇用契約書の更新が無いまま勤務した場合どうなりますか?

answer

 有期雇用契約(期間の定めのある雇用契約)の契約期間が満了した場合に会社が契約期間更新の有無を労働者に全く通知しない場合がありますが、このような場合に自動的に雇用契約が更新というわけではありません。なぜなら、有期雇用契約が満了した時点で雇用主が更新を拒否しない場合に契約が自動更新されると定めた法律がないからです。
 もちろん、契約の当初に「期間満了時に異議がない場合は自動的に更新される」などといった条項が契約に盛り込まれている場合には自動更新されることが労働条件の一つとなっていますので自動的に契約が更新されることになりますが、法律の規定がない以上、自動的に更新されるわけではないことになります。
 もっとも、だからといって契約期間が満了した時点で自動的に雇止め(解雇)になるわけではありません。契約期間が過ぎても契約更新の話がなければ、このまま働いて大丈夫なのか疑問に感じてしまいます。こういう場合に備えて、民法には次の規定があります。「雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件でさらに雇用したものと推定する。」(民法第629条第1項)
 このように、有期雇用契約の契約期間が満了した場合において労働者が引き続き就労を継続しているのを会社側が認識しておきながらそれに異議を唱えない場合には、会社側においてその労働者を継続して雇用しても良いという判断があったものと解されますから、たとえ契約を更新したという事実がない場合であっても契約を更新することについて黙示的に承認を与えたということができますので、「黙示の更新」があったと推定されることになります。
 「黙示の更新」があった後の契約がどのような契約になるのか、つまり「黙示の行使」があったと判断されて雇用契約が継続された場合、その黙示の更新後は「期間の定めのある雇用契約」として継続されるのかそれとも「期間の定めのない雇用契約」として継続されるか、という点が問題となります。
 この点の判断については過去の裁判例もその判断が分かれているようですので必ずしも明確な答えを導くことはできませんが、通説や過去の裁判例の多くは「黙示の更新」があった後の契約は「期間の定めのない雇用契約」として継続されるものと判断されているようです。

CONTACT US

就業規則作成、人事評価制度、労務問題および助成金の相談などお気軽にお問い合わせください。​