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労務相談Q&A

2021.01.16

副業禁止の範囲について教えてください。

answer

 一般的には、副業はよくないものとして認識されていますが、最近では、副業が解禁される流れになっています。副業といっても、いったいどこからどこまでが副業で、どこからがアウトなのでしょうか?
 副業という言葉にはいろいろなイメージがあると思いますが、実は副業には、決まった定義はありません。それは副業とは法律用語ではなく、特段法令で規制されているわけではないためです。会社から「副業は禁止です!」と言われることがありますが、これは法律に基づくルールではなく、会社が独自に策定するルールによるものです。
 介法律には副業という言葉はありません。労働者が本業以外に収入を得ることを禁止する規律もありません。そのため、副業行為は違法ではありません。一方、就業規則は会社が独自に制定するルールであり、会社は就業規則で副業を禁止することができます。この場合に副業を行うことは、会社に対する契約違反行為になる可能性があります。
 裁判所は、会社が就業規則や社内規定で副業を禁止する規定を設けること自体は問題ないとしています。しかし、原則として就業時間以外の時間を会社は拘束できないので、副業を行うことで会社の秩序を乱したり、提供すべき労務に支障が出たりする副業は禁止できると制限し、それ以外は問題ないとしています。この範囲を超えた副業を行うと、会社の定めた副業禁止の罰則は正当な理由があると認められ、最悪は懲戒解雇されます。
 就業規則で副業を禁止する趣旨は、副業に労働力が割かれることで、本業がおろそかになってしまうことを防止する点にあります。そのため、本業に影響ような副業など)は、副業禁止規定に抵触する必要があります。
 一方、本業に影響しない副業(例えば、株やFX、または家賃収入やメルカリの転売など)は副業禁止規定に抵触することはないと考えられます。
 具体的事例として、最近ではメルカリなど、誰でも簡単に転売を行うことができるようになりました。転売活動が本業に影響を及ぼすことは通常考えにくいので、これを副業として禁止される可能性は低いと考えられます
 ハンドメイド雑貨作りを趣味として行っている方も多いと思います。これが本業を終えた時刻に適切な範囲で行われるようであれば、特段副業禁止規定に抵触する恐れはないでしょう。しかし、製作時間が長くなったり、販促活動が忙しくなるなどして本業に支障がきたすようになれば、副業禁止規定に抵触してしまう可能性があります。

就業規定に掲載された副業禁止事項であっても、副業が認められない場合については、厚生労働省が新しく出した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によって整理されています。そして副業禁止が認められるケースとして3つのポイントが明示されています。
(1)本業務への影響
1つ目のポイントは「本業務への影響」があるかどうかです。本業のない余暇の時間内で、副業に従事する時間が長時間に及んだりしないかどうか、本業までに最低限の休息時間が取れるかなどがポイントです。体力的にものに従事することで充分に休息や睡眠が取ることができず、疲れが残った状態で本業に従事すれば本業がおろそかになります。本業への影響が出る恐れのある場合、就業規則上の副業禁止事項やそれに倣った解雇などの懲戒は有効と認められることになります。
(2)本業務との競合
副業として従事する先が、同業他社など競合する立場にあり、本業との競合となれば直接仕事が奪われるほか、本業における機密事項やその他本業を毀損する知見が流用される恐れがある場合も考えられます。この場合もまた、就業規則上の副業禁止事項と、それによってくだされる懲戒も有効と認められることになります。
(3)本業務への信用・ブランド毀損
従事する副業が公序良俗に反していたり、また本業との兼ね合いにおいてイメージ的に疑念を持たざるを得ないものである場合など、本業が持つ信用やブランドが毀損される恐れがあるとして、副業禁止事項とそれによる解雇などの懲戒も有効とされることがあります。

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